流出油の性状変化データベース
考察
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1.実験結果と考察

 

(1)夏期、冬期における経時変化実験

(2)経時変化実験による原油の蒸発率

(3)海水温度の中間条件における経時実験

(4)長期経時変化実験

(5)燃料油(重油)の経時変化実験

2.原油の物性によるグループ分類と経時変化パターンとの関連性の検討

3.未実験原油の経時変化推定方法


(5)燃料油(重油)の経時変化実験

石油製品として、A重油、C重油(1号、2号)の3種類の重油について経時変化実験を行った。
その結果を図-1.11に示す。

図-1.11 燃料油の性状変化 (夏期データ)


A重油は原油に比較して、密度、粘度も小さく、沸点的にも平均的に軽くまたムース化に寄与するアスファルテン含有量も殆どないため、流出時には性状変化も殆どなく、強い波条件下など条件が厳しくなると分散傾向を示す。一方、C重油は原油に比較して、密度、粘度も大きく、また軽質分も含有していないため、流出と同時に急速にムース化が進行し、安定したムース油を形成する。これは、原油の分類のなかの安定なムース油を形成する低流動点・重質グループの原油に比較しても、さらに流出油の粘度も大きくなる。粘度の違いで分類されているC重油1号、2号の流出油の違いは、全般的に、オリジナル油の粘度の大きなC重油2号の方が、流出油の粘度が高くなっているが、一部の条件下においては逆転しているケースもあり、両者の差はクリアになっていない。

(5)燃料油(重油)の経時変化実験

2.原油の物性によるグループ分類と
経時変化パターンとの関連性の検討