流出油の性状変化データベース
実験条件等
実験油種 油種検索 公表データについて 実験条件等 考察

1. 実験油の性状測定方法

 実験油の性状測定は以下の方法によった。 なお、ムース化後の実験油は、ろ紙上に広げて分離水を除去した後に測定に供した。

1.粘度

回転粘度計(東京計器製E型粘度計)によった。

2.水分

JIS K2275「原油及び石油製品水分試験方法」4.蒸留法によった。

3.密度

アントン・パール社製、振動式密度計(DMA−48型)によった。

4.蒸発率

島津キャピラリー・ガスクロマトグラフGC−17A型を使用し測定方法は以下によった。
予め蒸発率既知の原油を作製し、二流化炭素に希釈したものをガスクロマトグラフに注入し、 クロマトグラムを取る。
ガスクロマトグラフの試料注入口にはOV−101を充填して、塩分及び 原油の重質分を捕捉した。
nC20 を基準にして、それより低級の個々のノルマルパラフィンの 面積の比を出し、その合計と蒸発率の関係から検量線を作製。

 

2. 回流水槽の実験条件

 本実験で使用する波は、前年度と同様に、気象庁の波浪階級1に相当する波(以下“弱い波”という)と、波浪階級2に相当する波(以下“強い波”という)2種類の波とし、海水温度は、夏期は25℃、冬期は10℃に設定した。又、秋期における中間条件での実験では、海水温度を17.5℃に設定し、波の条件は、“弱い波”とした。本回流水槽での実験条件を表.2に示す。

表.2 回流水槽による経時変化実験条件

条 件

Case1(夏)
弱い波

Case2(夏)
強い波

Case3(冬)
弱い波

Case4(冬)
強い波

Case5(秋)
弱い波

波高  (cm)

5〜9

10〜15

5〜9

10〜15

5〜9

周期(sec)

1

0.5

1

0.5

1

波浪階級

1

2

1

2

1

風速 (m/s)

2.6

6.4

2.6

6.4

2.6

海水量 (t)

4

4

4

4

4

水深 (cm)

60

60

60

60

60

海水温度(℃)

25

25

10

10

17.5

原油投入量(L)

10

10

10

10

10

油層厚さ (mm)

1.4

1.4

1.4

1.4

1.4

回流水槽外観

回流水槽構成図

 

3. 回流水槽の実験条件

 経時変化実験は、各ケースにおいて、表.2の条件になるように回流水槽の各装置を設定し、波が安定した状態で、既定量の実験油を投入口より海水面上に静かに流し込んだ。
  その後、実験油投入時点から0.5、1、2、4、6、8時間経過後と、更に96時間経過までの4日間に、24時間間隔で海水表面上の実験油を採取し、その性状(粘度、水分、密度、蒸発率)を測定した。又実験開始直後と、4時間、24時間及び72時間経過時に、投入した実験油の経時変化の模様を写真撮影。